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亀頭包皮炎

亀頭包皮炎とは、陰茎の先(亀頭)と包皮に感染を起こした皮膚炎です。
男児の場合と成人男性の場合に分けて説明します。

男児の場合

乳幼児期の男の子のおちんちんの先(亀頭)は包皮が被さっていてほとんど見えませんが、2歳頃になると、包皮を手で少しむいてあげると亀頭が現れます。
これを仮性包茎といいます。
大半の子どもが仮性包茎になっていますが、治す必要はありません。
ただし、仮性包茎では包皮内に分泌物(恥垢)がたまりやすく、細菌が住みやすい環境になります。
このような状態で、不潔な手でおちんちんを触ると、さらに細菌が入り込んで感染を起こし、おちんちんの先が赤く腫れてしまいます。
これを亀頭包皮炎といいます。
不潔な手で触れなくても、逆にお風呂でゴシゴシ洗うことで皮膚が傷ついて、亀頭包皮炎が生じることもあります。

包皮は血流が豊富で炎症には強いなので、塗り薬ですぐ治ることが多いです。
でも、お風呂場で包皮を無理にむいて洗うことはやめましょう。
上で述べたように、亀頭包皮炎が悪化するかもしれません。
お風呂の後に、軟膏を塗りながら少しずつ少しずつむいてあげるだけでいいです。
当院ではおちんちんの洗い方をご説明させていただきます。

成人男性の場合

成年男性にも亀頭包皮炎は起こります。
上で述べたように、仮性包茎の方は亀頭包皮炎が起こりやすいです。
亀頭や包皮の両方あるいはどちらかだけが、感染を起こし、赤くただれたり、痛みや痒みが出たりします。

原因としては、自慰行為や性行為で、亀頭部が過度な物理的刺激を受けて、皮膚粘膜のバリアが壊れることで亀頭包皮炎になることが多いです。
また、こどもの場合と同様に、ゴシゴシと洗いすぎても、皮膚粘膜が傷ついて亀頭包皮炎になることもあります。

細菌ではなく、真菌(カビ)の1つであるカンジダが亀頭包皮炎を起こすこともあります。
カンジダは、健康な人の皮膚や口の中などあらゆるところに存在しているカビの1種です。
カンジダは感染力が弱いですが、糖尿病などを持っている方は免疫力が弱いので、カンジダによって亀頭包皮炎を起こすことがあります。
「SGLT-2阻害剤」という糖尿病の治療薬は、血液中の糖分を尿の中に排泄する作用があります。
このお薬は余分な糖分を吸収しなくて済むのがメリットで、肥満で若年の方によく処方されます。
ですが、糖分がたっぷり入った尿が排尿のたびに包皮に付着すると、細菌やカンジダの恰好のエサとなります。
そのため、糖尿病を持っている方は、細菌性もしくはカンジダ性の亀頭包皮炎を起こしやすいです。

ほとんどの亀頭包皮炎は細菌が原因なので、抗生剤入りのステロイド軟膏を塗って治療をします。
抗生剤入りの軟膏で治りにくい場合や、カンジダ感染を強く疑う場合は、抗真菌薬の軟膏で治療をします。

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