精巣上体炎
精巣上体炎とは精巣のすぐ横にある精巣上体に起こる感染症で、尿道から侵入した細菌が精子の通り道をさかのぼり、精巣上体まで達してしまうことが原因で起こります。
精巣上体とは
帽子のように精巣の上にくっついている臓器で、精巣で作られた精子の通り道であり貯蔵庫でもあります。
原因
① 若年男性の場合
淋菌やクラミジアなどの性感染症の原因菌が侵入して感染をおこす
② 高齢男性の場合
前立腺肥大症、膀胱結石、尿道狭窄などの病気によって尿中に細菌が増えることで感染を起こす
症状
- 陰嚢の腫れ
- 陰嚢の痛み
- 発熱
尿道から膿が出るような症状もあれば尿道炎の併発を疑います。
検査と診断
陰嚢内の触診で容易に診断がつくことが多いですが、陰嚢内病変の鑑別(精巣捻転や精巣がんなど)として超音波検査がGold Standardです。
- 視診、触診:腫れや圧痛を調べます
- 尿検査:尿中の白血球や細菌の有無を調べます
- 細菌検査:どんな細菌か調べます
- 超音波検査:陰のう内の状態を調べます
治療
1抗生剤の治療
治療前には必ず細菌検査を行って、どんな細菌か調べます。
そして、原因菌に合った抗生剤(ニューキノロン系やセフェム系)を使用します。
抗生剤の治療を行ってもなかなか治らない場合は精巣上体結核も考えます。