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停留精巣・移動性精巣

睾丸(精巣)はお母さんのお腹の中で作られて、鼠径管というトンネルを通って陰嚢の中まで下りてきます。
男児が生まれたときに、精巣が下りてきてなくて陰嚢内におさまっていない状態を停留精巣といいます。
新生児期には20人に1人の割合でみられますが、1歳になると約1%まで減ります。

分類と診断

左右2つの精巣がいずれも陰嚢内に触れない場合の両側性と、一方が陰嚢内に触れる片側性に分けられます。
精巣が鼠径管内にある場合、外鼠径輪(鼠径管トンネルの下の出口)や陰嚢上部までおりてきている場合など、精巣の位置はさまざまです。

診察で精巣が触れない場合には「非触知精巣」と呼びます。
鼠径管トンネルの中、内鼠径輪(鼠径管トンネルの上の入り口)からお腹の中にある場合などがあります。
生まれた時に、停留精巣に加えて、他の合併疾患(陰茎が小さい、尿道の出口が陰茎の先にないなど)がある場合は直ちに小児泌尿器科の専門的な診察が必要です。

似たような用語で、移動性精巣(遊走精巣)があります。
移動性精巣(遊走精巣)とは、陰嚢の中に下りてきた精巣が陰嚢と鼠径管トンネルとの間を行ったり来たりする状態です。
乳児や小児ではよく見られます。

影響

停留精巣は、男性不妊症と精巣がんの原因になる可能性があります。
また、精巣捻転のリスクもあります。

1.男性不妊症

停留精巣の子どもが、将来子供をつくる能力(妊孕性)は手術で治療しても片側で70~90%、両側で30~65%といわれています。
子供をつくる力を損なわないように早期に停留精巣の手術を行うことも考えられます。

2.精巣がん

停留精巣は陰嚢内精巣に比べて精巣がんの発生が3~4倍程度高いといわれています。
しかし精巣がんの発生頻度は非常に低いので、早期に固定術を行えば心配ありません。

3.精巣捻転

停留精巣を治療しないと、精巣自体が固定されていないので精索(精巣を栄養する血管や精管)がねじれる精索捻転が起こしやすいです。

治療

精巣をもともとの陰嚢内に固定する精巣固定術が基本です。
生後6ヶ月の乳児検診で停留精巣を指摘されれば手術が必要となり、手術時期は1~2歳頃までといわれています。
非触知精巣の場合は、腹腔鏡下精巣固定術などを行いますが、精巣の萎縮が強いと摘除術になることもあります。

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