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精巣捻転

精巣捻転は精巣が陰嚢の中で回転して、精巣の血管(精索)がねじれてしまう病気です。
精巣に血液が通わなくなるので、すぐねじれをほどいてあげないと、精巣が壊死してしまうことがあります。
思春期に多い病気なので、中高生の男の子が「急に睾丸が痛くなった」と言ってきたら、急いで泌尿器科を受診してください。

原因

精巣は通常、それに付着している鞘膜にしっかり固定されており、陰嚢の中で自由に動いくことはありません。
ですが、精巣の固定が十分でなければ、何らかの外力により精巣が体から外れて回転してしまうことがあります。

精巣捻転は新生児期と思春期に多いといわれています。
新生児では精巣が陰嚢の中で十分固定されておらず、思春期には第二次性徴に精巣の重量が増えるけれども、周囲の組織の固定が不十分であるからです。

症状

  • 陰嚢の激痛
  • 腹痛や嘔吐

捻転した直後から陰嚢の激痛が起こります。ねじれた精索は、おなかにつながっているので、痛みがおなかに伝わって、腹痛や嘔吐が生じることもあります。
年少児ではうまく痛みの部位が伝えられず、「おなかが痛い」と言ったりすると、精巣捻転が見逃されるかもしれません。

精巣捻転は自然に治ることもあります。
精索のねじれが軽度であると、自然に精索のねじれが元に戻り、痛みが嘘のように和らぎます。
しかし、精巣捻転が起こる人は、精巣と陰嚢とのくっつきが弱いので、将来にまたねじれる可能性があります。

診断

問診 年齢、経過、痛みの具合を聞きます
触診 精巣挙筋反射の有無を確認します。

精巣挙筋反射とは、太ももの内側を触ると意図せずに精巣が持ち上がる反射です。
本来外傷などから精巣を守るためにある反射ですが、精巣捻転では消失します。

陰嚢エコー(ドップラーエコー) 精巣に血液が流れているかを確認します。
精巣捻転では、ドップラーエコーで精巣への血流は見えなくなります。

同じように陰嚢に痛みが起こる病気に急性精巣上体炎があります。
精巣捻転と区別しにくいですが、尿検査で違いが分かることもあります。

また、精巣捻転と同じような症状が出る病気に、精巣垂捻転や精巣上体垂捻転がありますが、これらも区別しにくいことがよくあります。

治療

用手整復

精巣は内向きにねじれることが多いので、両手を使って左右の精巣を外側に回転させるとねじれが戻ることもあります(open the bookと習いました)。
ただし、整復に成功しても再発する可能性が高いので、速やかに手術を行う場合も多いです。

精巣固定術

精巣のねじれをほどいて、精巣をしっかり陰嚢内に固定する手術です。
手術では精巣のねじれをほどいた後、精巣の色を見て温存するかどうか判断します。
温存できると判断したら、精巣を陰嚢の中に糸で何針か縫い付けて固定します。
精巣捻転が発症してから12時間以内にねじれをほどくことができればだいたい大丈夫です。
ただし12時間以上経過していると、ねじれをほどいてもすでに精巣は壊死してしまっていることが多く、その精巣は摘出することになります。
また、予防的に反対側の精巣も陰嚢に固定することが多いです。

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