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間質性膀胱炎

間質性膀胱炎とは

間質性膀胱炎は比較的まれな病気と以前は言われており、聞きなれない方も多いと思いますが、現在ではこの病気でお悩みの患者さまは思いのほか多いです。
特に女性に多い疾患です。
一般的に「膀胱炎」は、細菌感染がもとで膀胱に炎症が起こることを言いますが、これは抗生剤で速やかに治ります。
しかし、「間質性膀胱炎」は細菌どころか感染自体によらない膀胱の炎症を起こす病気です。
間質性膀胱炎は非常に難治性で、重症例では泌尿器系で唯一、国の難病指定を受けています。

原因

間質性膀胱炎の原因ははっきり分からないですが、膀胱粘膜の免疫異常や機能不全などにより、膀胱の内面を覆っている細胞が障害されて、尿中の物質が膀胱粘膜にしみ込んで刺激しているのではないかといわれています。

症状

間質性膀胱炎があっても、初期は無症状の場合が多いです。
症状が徐々にあらわれますが、尿がたまった時の下腹部痛は間質性膀胱炎の典型的な症状といわれています。
他には、頻尿、尿意切迫など、過活動膀胱に似た症状がみられます。
尿意切迫(急に尿意をもよおす)がときに1時間に何回も生じます。
膀胱に尿がたまると下腹部痛や不快感が強くなり、排尿すると痛みがおさまります。
重症になると、長時間トイレに座って、痛みを取り除くために少しずつでも排尿し続ける状況になることがあります。

診断

尿検査 尿路感染がないか調べます。
尿細胞診 尿中に悪性の細胞がないか調べます。
膀胱内視鏡検査 「ハンナ病変」といわれる、間質性膀胱炎に特有のびらん病変があれば、診断できます。

治療

対症療法としては、病態説明や食事療法があります。
内服治療薬としては、鎮痛薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、免疫抑制剤などが用いられます。
内視鏡的な治療としては、膀胱水圧拡張術が広く行われています。

食事療法

コーヒー,紅茶,チョコレート,アルコール,トマト,レモンなどの柑橘類,唐辛子やわさびなどの香辛料などが、間質性膀胱炎患者さんにとって症状を悪化させる飲食物とされています。
ただ、これらすべて避けることは実生活において難しいので、患者さまに合わせて回避する食品を決めてあげればよいと思います。

内視鏡的手術

膀胱水圧拡張術

古くから診断および治療の目的で行われてきた治療法です。
下半身麻酔をかけて、膀胱鏡を使って、多量の水を膀胱に入れてしっかり膨らまします。
その時、ハンナ病変(びらんや潰瘍)を認めたら、電気やレーザーで膀胱粘膜を焼灼します。
症状を緩和することが目的ですが、奏効率は約 50%と言われており、治療を繰り返す場合もあります。

DMSO(ジムソ)膀胱内注入

DMSO(ジメチルスルホキシド;ジムソ®)膀胱内注入は、以前から間質性膀胱炎の治療として海外では使用されていましたが、本邦では2021年4月に保険適応となりました。
(DMSO)は炎症抑制,筋弛緩,鎮痛,肥満細胞の脱顆粒などの作用により症状が緩和され、水圧拡張とほぼ同等の効果があるといわれています。
さらに副作用は少なく、外来での治療が可能です。

実際の方法としては、膀胱に局所麻酔薬を注入した後、カテーテルを使って膀胱内にジムソを注入します。
15分ほど尿を我慢してもらい、その後排尿してもらいます。
このような治療を2週間に1回、合計6回行います。
注入時にニンニク様の臭いがする、治療後数日間に間質性膀胱炎の症状が強くなることがありますが、いずれも一時的で徐々に症状がよくなります。

薬物治療

原因がはっきりとわかっていないため、残念ながら特効薬はありませんが、抗うつ薬(アミトリプチン)、抗アレルギー薬(スプラタスト)、鎮痛薬、ステロイドなどの飲み薬で症状がよくなることもあります

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